リースバックとはどんな仕組み?不動産売却やリバースモーゲージとの違いを解説

リースバックと任意売却は、物件を売却する方法の一つですが、それぞれにどのような特徴や違いがあるのかを知っている方は少ないのではないでしょうか。
どちらも売却額で住宅ローンを返済する点は共通していますが、両者はまったく異なるアプローチです。
また、なかにはリースバックと任意売却を併用することによって、さまざまなメリットが得られるケースもあります。
この記事では、リースバックと任意売却の違い、併用するための条件やメリットについて解説します。
リースバックと任意売却の違いを解説する前に、リースバックと任意売却とはそれぞれどのようなものなのかについて詳しく見ていきましょう。
リースバックとは、物件を売却する方法の一つで、物件の売却後も同じ物件に住み続けられる点が特徴です。
売却した物件に住み続けられる理由は、リースバック会社との間で、物件の売買契約と賃貸借契約を同時に結ぶためです。
売却後は賃貸借契約となるため、毎月家賃が発生しますが、引っ越しの手間や費用がかからないうえ、売却時にまとまった金額を得られる点がメリットです。
任意売却とは、住宅ローンを返済できなくなった場合に、債権者の合意のうえで、売却後に残債がある状態で物件を売却する方法です。
住宅ローンを返済できなくなると、裁判所が行う競売によって物件を売却することが多いですが、任意売却の場合には競売以外の方法で物件を売却します。
そのため、物件の売却方法を自由に選べる点がメリットです。
リースバックと任意売却の違いをまとめると、以下の表のようになります。
リースバック | 任意売却 | |
利用する目的 | 売却した物件に住み続ける | 返済が滞っている住宅ローンの支払い |
利用するタイミング | 物件の売却後に賃貸借契約をしたいとき | 住宅ローンを滞納しすぎて競売にかけられそうになったとき |
売却後も住み続けられるか | 住み続けられる | リースバックと併用すれば住み続けられる |
売却したことを知られるか | 周囲に知られにくい | 周囲に知られやすい |
債権者の合意が必要か | 不要 | 必要 |
売却先 | リースバック会社 | 市場から募集する |
売却価格 | 相場の7~8割程度 | 相場の8~9割程度 |
次に、リースバックと任意売却の違いについて、各項目をそれぞれ詳しく解説します。
リースバックの目的は、物件の売却額を得ながら同じ物件に住み続けることであるのに対して、任意売却の目的は、滞納している住宅ローンの返済です。
リースバックでも、物件の売却額で残っているローンを返済しますが、住宅ローンを返済するためだけに売却するわけではない点を覚えておきましょう。
リースバックを利用するタイミングは、物件の売却後に賃貸借契約をしたいときで、任意売却を利用するタイミングは、住宅ローンを滞納しすぎて競売にかけられそうになったときです。
つまり、リースバックは任意のタイミングで行えるのに対して、任意売却は競売にかけられそうになったときの最終手段です。
リースバックでは、物件の売却後、売却した物件に住み続けることが目的であることからわかるとおり、売却後も同じ物件に住み続けられます。
しかし、任意売却は通常の不動産売却と同様、基本的に売却後の物件に住み続けることはできません。
ただし、任意売却とリースバックを併用する場合は、売却後も同じ物件に住み続けられます。
リースバックのメリットの一つとして、物件を売却したことを周囲に知られにくい点があげられます。
なぜなら、物件を売却しても同じ物件に住み続けられるからです。
しかし、任意売却では、リースバックを併用しない限り、売却後に引越すことが前提となるため、周囲に知られる可能性が高いでしょう。
リースバックでは、債権者の合意がなくても物件を売却できます。
しかし、任意売却では物件売却後も住宅ローンが残ることから、債権者の合意なしでは行えません。
リースバックでは、リースバック会社に物件を売却し、リースバック会社を貸主として賃貸借契約を結ぶため、売却先はリースバック会社に限られます。
一方、任意売却では、選択した売却方法によって異なりますが、市場から売却先を選びます。
そのため、リースバックよりも任意売却の方が、売却先の選択肢が広いといえるでしょう。
リースバックと任意売却は、いずれも市場相場よりも売却価格が安くなりやすい特徴があります。
リースバックは相場の7〜8割程度、任意売却は相場の8〜9割程度の売却価格に設定されることが一般的です。
リースバックと任意売却は併用が可能です。
しかし、リースバックと任意売却を併用するためには、以下の条件があることに注意しましょう。
以下では、それぞれの条件について詳しく解説します。
任意売却をするには、債権者の合意が必要となるため、リースバック会社への売却価格で債権者の合意を得られることが条件になります。
リースバックにおいては相場の7〜8割ほどの売却価格となることから、債権者の合意を得るのが難しい面もあります。
リースバック会社によっては、任意売却を認めていないことがあります。
そのため、リースバックと任意売却を併用したい場合には、任意売却が可能なリースバックを探しましょう。
リースバックと任意売却の併用には、以下のメリットがあります。
次に、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
リースバックを併用すれば、任意売却後も物件に住み続けることが可能です。
引越しの費用や手間がかからないだけでなく、周囲に物件の売却を知られるリスクも低くなるでしょう。
任意売却であれば、物件の売却価格がローン残債を下回っているオーバーローンの状態でも、リースバックで物件を売却できます。
ただし、無理やり任意売却でリースバックをしてしまうと、債務不履行によって金融機関のブラックリストに掲載されるリスクがある点に注意しましょう。
リースバックのメリットの一つとして、売却した物件の買い戻しができる点があげられます。
そのため、リースバックと任意売却を併用することで、将来的に収入の増加が見込めるようであれば買い戻しも検討できるでしょう。
リースバックと任意売却の併用には、以下のデメリットがあります。
次に、それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
前述のとおり、リースバックでは売却価格が相場よりも安くなります。
任意売却ではローンの返済が目的であるため、売却価格が相場よりも安くなることは、大きなデメリットとなる可能性があります。
リースバックのデメリットとして、家賃が相場よりも高くなりやすいことがあげられます。
そのため、任意売却とリースバックを併用する場合には、売却価格だけでなく、リースバック後の家賃についても確認しておきましょう。
リースバックと任意売却の併用には、主に費用面のデメリットがありますが、以下のようなケースでは併用を検討してみることがおすすめです。
以下では、それぞれのケースについて詳しく解説します。
夫婦で物件を共有しており、離婚時に共有状態を解消するには、ローンの残債を完済する必要があります。
そこでオーバーローンになってしまう場合、任意売却とリースバックの併用がおすすめです。
とくに、子どもがいるようなケースでは親権をもつ側が同じ物件に住み続けることで、子どもの生活環境を変えずに済むメリットもあります。
子どもに自宅を相続させる場合にも、リースバックと任意売却の併用が望ましいケースがあります。
リースバックでは物件の買い戻しができるため、一時的に物件を売却したとしても、相続のタイミングで買い戻すことが可能です。
そのため、将来的に子どもに相続させたいけれど、任意売却を迫られているときには、リースバックと任意売却を併用する手もあります。
住宅ローンの滞納によって任意売却をする場合、ローン滞納を周囲に知られたくない方も多いのではないでしょうか。
リースバックを併用すれば、任意売却後も同じ物件に住み続けられるため、周囲に滞納や売却の事実を知られにくくなります。
将来的に収入が増える見込みがある場合、リースバックと任意売却を併用しておき、経済的な余裕ができたタイミングで買い戻す方法もあります。
一時的に売却しなければならないというケースでは、リースバックと任意売却を併用するのも効果的な手段になるでしょう。
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